生活保護を受ける上で、一つの義務として「資産の活用」があります
要するに使えるものは全て使って、生活にあててくださいという事です。
それらをもってしても、なお生活できない場合、足りない分について生活保護費が支給されます。
この「資産の活用」というのは、家や土地などはもちろんですが、援助してもらえる人もそれにあたります。
援助といっても色々な援助がありますが、やはり最たるものは現金の援助でしょう。
生活保護受給者の息子が
「一か月暮らせるほどの援助は難しいけど、月1万円程度なら援助します。」
となった場合、1万円を収入認定として扱い、支給される保護費から差し引かれます。
現金を支給できない場合は、お米や野菜などの食料品についての援助が多いです。
では、お米や野菜などが援助された場合は生活保護費はどうなるのでしょうか。
主食、野菜、魚介などの援助があった場合は、金銭に換算し収入認定をする
生活保護手帳 第8収入の認定 イ 仕送り、贈与等による収入 第8-3-(2)-イ-(イ)に
「他からの仕送り、贈与等による主食、野菜又は魚介は、その仕送り、贈与等を受けた量について、農業収入または農業以外の事業収入の認定の例により金銭に換算した額を認定すること。」
と記載があります。
そのため、お米や野菜、魚介についてはその際の金額及び量でいくら収入認定するかを換算し、翌月の保護費に反映させます。
実際に私のケースで3か月に1度程度、お米30㎏が仕送りされてくる世帯がありました。
その都度、農業部署の同期に「今のお米の値段はいくら?」と聞いた上で換算し、収入認定としていました。
嗜好品、被服、衛生用品、家具什器費、燃料などは収入認定対象外!?
では、食料品以外のものを援助された場合はどうなるのか。
実は収入認定の対象外となります。
これについては生活保護手帳別冊問答集に回答があり(問8-29 主食、野菜、魚介以外の現物援助)
「現物による贈与をうけた場合に、収入として認定するのは、主食、野菜又は魚介に限られているので、設例のような品目の贈与を受けている場合は、収入認定しないこととして差支えない。」
と明確に記載があります。
そのため、たばこやお酒は収入認定されません。
また、服やテレビなどの家電、灯油なども収入認定対象外です。
しかし、別冊問答集にて
「現物の贈与に代えて現金による援助を受けるように奨励する余地はあろう。」
と記載があるため、可能であるならば「物品ではなく、現金で支給をしてもらえないか」とケースワーカーから依頼することは推奨されています。
当然、お米や野菜、魚介をもらってことを黙っているのは不正受給にあたります・・・が、
野菜なんかについては正直なところ、いちいち聞いてられない部分でもあったりします。
厳密にいうと隣のおばさんからキャベツ1玉もらったら収入認定をしなければいけないということでしょうが、すいません私は現役時代にそこまでできませんでしたし、査察指導員時代もワーカーさんたちにそこまで厳密に指導はしていませんでした…。
ただし、保護開始の際は仕送りなどがないかはしっかりと確認し、あればそれを忘れることなく収入認定することは徹底させてました。
収入認定については、現役時代にも控除の額が変わったからどうだ、作物の値段が変わったからどうだ、農薬の値段が変わったからどうだと、その認定額について四苦八苦したのを思い出します。
現役ケースワーカーさん。大変でしょうがしっかりと計算して、ミスのないように認定をしましょう。
万が一、間違えて認定してしまった時はちゃんと上司に言って、迅速に修正しましょうね。
ほったらかしておくと監査の際にえらい目にあいますので笑。
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