Aさん「私は保護は受けていない。だから話を聞く必要もない。帰ってほしい。」
私はケースワーカーになり、90近いケースを受け持ちました。
まず全ての人の顔と名前を一致し、生活状況を覚えようと訪問しまくっていた時に
言われて「どういうことだ??」と思わされたのが上記のセリフです。
Aさんは父と二人暮らしをしており、世帯主は父です。
ありふれた家族構成なのですが、問題があったのは保護の仕方です。
どういうことなのだろうと役所に帰りケース記録を見て驚きました。
父が困窮状態であったが、娘(Aさん)は生活保護は私には関係ないと拒否。
しかし、父は障害があり就労できず、娘も引きこもり状態で収入がなかったことから
ろくに協議もしないまま二人を生活保護としていました。
そのため、Aさんとしては
「私は生活保護を受けていない。だからあなたたちから働けと言われても関係ない。指図しないでほしい。」
との言い分でこれまでずっと過ごしてきたわけです。
過去の担当者数人に聞いても
「あの人はねえ・・・。まあ訪問だけはきちんとしておこうね。」
「ある意味アンタッチャブルなケース。お父さんはいい人なんだけどな。」
「保護開始の段階でやらかしてる。俺も適当に処理だけしてきた。」
と触らぬ神に祟りなしのようなケースになっていました。
私も1年間担当し積極的に訪問、就労について勧めましたが徹底的に拒否。
その後地区担当替えによりAさんのケースは別ケースワーカーが引き継ぎましたが
未だに状況は変わっていないようです。
どうせ役所を辞めるなら、辞める前に変に気を遣わずに思いっきり言いたいことを
言ってやればよかったかなとちょっとだけ後悔しています。
お父さんが亡くなった時、Aさんはどうなってしまうのかが心残りです。
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