スポンサーリンク

【第2話】健康で文化的な最低限度の生活 感想や気になった部分など

健康で文化的な最低限度の生活 感想

第2話目の放送は「生活保護の不正受給問題」について焦点があてられていました。

 

今回のように未成年者の就労申告漏れについては、故意にせよ、故意でないにせよ、その全額について返還をしなければなりません。

 

twitterで今回の放送について検索をしてみると

「役所の説明不足が原因なのにかわいそう」

「不正する意思がないのに全額を返さなければいけないなんて、制度が厳しすぎる」

といった意見もありました。

 

まず、役所の説明不足という点ですが、それはありえません。断言できます。

保護開始時に担当ケースワーカーから

就労をした場合は必ず申告をする

という説明は絶対に行われます。

 

また、その際に「確認書」を取り、私は説明をきちんと聞き、理解しましたという風に署名をします。

当然、世帯主だけでなく、その世帯全員の確認書を取ります。

 

厳しすぎるという意見ですが、故意か故意でないかでわけてしまうと線引きが非常に曖昧です。

必ず「知っていたけど、知らなかったフリをして免れよう」という人が出てきます。

また、就労収入は全額自由に使えるため、就労していた期間中は最低限度の生活をしていたとは言えません。

そもそもこれを許してしまうと、保護脱却を目指し、しっかりと収入申告をしていた保護者はどうなってしまうのかという話でもあります。

 

前置きがだいぶ長くなってしまいました。 2話目の感想については以下。

 

生活保護の不正受給問題 未成年者の就労未申告について

○日下部(母)「前の担当 好きじゃなかったんですよ」

→大概は「前の担当のほうが色々としてくれた。」と言われるんですけどね笑。ちなみに基本的に生活保護法に基づいて業務をするため、ケースワーカーで対応が違うということはまずありません。

 

○石橋「風邪っぽいんで先失礼します。」

→激務な部署ですが、休みは取りにくいわけではありません。大きなトラブルがなければ1日くらいは急に休んでも、他のワーカーにお願いすれば電話のメモくらいは机に貼っておいてもらえます。当然休んだ分の仕事は消えるわけではないので、休み明けに仕事がたまっているわけですが…。

 

○半田「デスクの上はきれいにしましょう。」

→保護業務以前の問題ですね。特に最近は窓口のお客様に不快に思われないように、自分のデスクだけではなく、周囲の書類についてもきれいに整頓するように気を付けているのではないでしょうか。

 

○窓口のおじいちゃん「新人は話しにならん。早く足りない分をくれ。」

→会話から察するに「65歳に到達したため年金が支給されるようになった。そのため、生活保護費が差し引きされて支給された。」ということでしょうね。当然、年金は収入扱いになるため、生活保護費は差し引かれて支給されます。

 

○休憩時間の食事のワンシーン 「あんたは誰の味方や」

→現役時代に同じようなことを聞かれました。私は「味方ではなく、支援者です。そのため、間違ったことをされていれば、それを指導し、正しい方向に導くよう支援をしてます。敵とか味方とかかではないんですよ。」と答えてましたね。

 

○課税調査の結果が配られ、そこに日下部(息子)の名前があったのに驚くえみる

→大体6,7月ごろに課税調査が行われます。調査書をもとに担当ケースワーカーが収入に差がないかチェックし、不正な収入がないかを確かめます。日下部息子は働いていないと聞いていたのに収入があがっていたので、金額をチェックするまでもなくアウトでしたね。

 

○ナレーション「全体の3%が不正受給をしたことがある」

→不正受給について最も多いのが「賃金の無申告」と説明されていました。私も現役時代にドラマとほぼ同じようなケースで賃金の無申告が判明したことがあります。割とケースワーカーの中でもポピュラーな例です。

 

○えみる「全額の返還となります。」 日下部息子「聞いてない!」

→保護決定の際に「確認書」について同意をしているため聞いてないで通る話ではありません。

 

○えみる「もしかしたら全額を返さなくてもいいかもしれません。」

→断言しないことで保険をかけたつもりかもしれませんが、半端な知識で期待をもたせないようにすべきでした。ここは「難しいかもしれませんが、一度持ち帰って上司に意見を求めます。」ぐらいで切るべきでしたね。特に金銭の支給、徴収に関することは知識が浅いうちは即答を避けましょう。

 

○京極「昔は63条で免除していた時期もあったが、平成24年に通知があり厳しくなった。」

→確か平成24年の改正生活保護法の中で、不正受給に対する対応の強化が示されたはずです。また、福祉事務所ごとで対応の違いをなくすために明確に基準を定めたという話もあるようです。

 

○京極「確認書はもらっているのか。」 

→確認書のフレーズが出てきました。しっかりと署名があることから、保護開始時に説明を受け、理解をしているはずです。一つ擁護するとすれば、その際の説明時にケースワーカーが「将来のために積み立てができる。」など、就労についての控除ルールなどを説明すべきでした。

 

○半田「申告していれば半分以上は控除されたのに…。」

→働くことがいけないのではないのです。申告をせずに働くことがいけないのです。申告さえすれば半田が言ったように3万円近くは控除(差し引きされない)され、自由に使えます。それを超えた分については、金額に応じて差し引きされます(全額ではないです)。

 

○日下部(母)「そんなお金・・・すぐには返せません!」

→この場合は分割して返還するのが一般的です。返還する金額については話し合って決められます。しかし、60万円となると月1万円を返しても5年。返還を管理するのも苦労しますね。

 

 

漫画では一区切りでしたが、どうやらドラマでは続きがあるようです。

 

ドラマなので演出が大袈裟なのかな? と思うかもしれませんが、ケースによっては思い通りにならず、本当に暴れたりするケースもあります。

 

特に、最後はジミ・ヘンドリクスを彷彿とさせるギターの破壊っぷりでしたが、私の事務所では、訪問時に床の間のツボを叩きつけて破壊した保護者の人がいました。

 

自転車で原付を追っかけているシーンが予告でありました。

次回はどういった展開になるのか楽しみです。

 

 

コメント