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【第8話】健康で文化的な最低限度の生活 感想や気になった部分など

健康で文化的な最低限度の生活 感想

今回はアルコール依存症の方にスポットを当てた話でした。

 

私も現役時代に数ケース担当したことはありますが、アルコール依存症は立派な病気だと痛感しました。

やはりなかなかやめられるものではなく、3か月の入院治療期間を終えても再度飲んでしまうケースがほとんどでした。

入院中に酒が飲みたくて脱走して、酒を万引きして捕まったケースもありました。お酒は本当に怖いです。

 

アルコール依存症のケースについて

○赤嶺本人が治療について拒否し、治療の継続ができない、説得をしてくださいと言われるえみる

→「私はアルコール依存ではないので大丈夫です。」と直前になって拒否するのは割とよくある話です。病院に行く前はその気だったのに、いざ病院につくとやっぱり大丈夫ですというのはある程度想定内ですので、ケースワーカーからも治療の必要性について説明し説得しましょう。

 

○石橋「信じんほうがええで。ほっといたらええんです。」

→アルコール依存ケースを経験すると何度も何度も裏切られるので、信じるだけ疲れるようになってしまうんですよね。だからといって放っておいてはいけませんが。ただ、依存者側も軽い気持ちで言っているわけではないんですよね。お酒のせいで意思が薄弱になっているということを念頭においてサポートしましょう。

 

○訪問したところ泥酔していた赤嶺。「お酒も残っているので今日は失礼します!」と閉める七条

→訪問した場合に限らず、窓口でお酒臭かったりする場合も上記の言い回しで後日来てもらうことはある程度どこの福祉事務所でもマニュアル化されていると思います。それですんなり帰ってくれればいいんですが、そのまま酒の勢いで暴れたりするとお巡りさんの出番になることもしばしばあったりします。

 

○アルコール依存ケースに完治はない

→ずばりこの通りです。いくら治療を行い、プログラムを完了したところでなにがきっかけで再びお酒を飲んでしまうのかわかりません。一度、保護を廃止し順調に生活ができていたのに、担当ケースワーカーも別部署に行ってしまった6年後に再び酒におぼれて保護の申請をしてきた人もいました。

 

○赤嶺の返事がないため郵便ポストをのぞくえみる。倒れている赤嶺。

→返事がなく、このように明らかに異常がある場合は即119番通報でかまいません。判断に迷う場合は福祉事務所の上司(査察指導員もしくはSV)に連絡を行い指示を仰ぎましょう。文章にすると簡単ですが、実際こういう場面に遭遇すると少しパニックになってしまいます。慣れるしかないですね。

 

○アルコール依存症の治療のため、入院プログラムを受ける赤嶺

→原則としてほとんどの病院で3か月の入院期間を設けています。最初の一か月は病院内のみ移動可能。2か月目から外出も可能という病院がほとんどでした。ちなみに外出して帰ってきた際等はアルコールの呼気チェックがあり、アルコール反応が出た場合は隔離室に移されます。

 

○(過去にアルコール依存ケースが亡くなり)石橋「肩の荷が下りた気になって、少し楽になりました。」

→苦労させられていたケースが急死した場合なんかは実際同じ思いをしたものです。現場に携わった人間としては「これだけ苦労させやがったのに勝手に逝きやがって…!頑張ればあんたでも社会復帰できただろ。」みたいな感情もあってなんとも言えない気持ちにもなりましたね。

 

○石橋「感情移入するのはやめました。そうせんと心がもたへんのですわ。」

→中には冷血なケースワーカーだと非難されるワーカーもいますが、そうしないとやってられない部分が多々ありますからね。割と重要なフレーズだと思いました。

 

○赤嶺の家を片付けるケースワーカーたち

→こういった場合の清掃費用について出せる扶助がないんですよね。なので、担当ワーカーと応援数名で真にやむを得ない場合に片づけにいったりしましたが、ドラマではちょっと人員をさきすぎですね。せいぜい2,3名で十分かと。市町村によりますが、社会福祉協議会などが独自で清掃のボランティアを行っているところもあるようです。

 

○京極「次の支給日に来ない場合、失踪廃止を検討する」

→実際に失踪による廃止をするには①訪問調査→②届け出の文書指示→③弁明の機会まで設けた上でそれでも反応がない場合失踪廃止をすることができます。といっても、①を何度も行って家にいない時点で②③についても反応がない場合がほとんどです。また、窓口支給にしているのは保護開始して間がないからかと思われます。

 

 

ドラマでは最後の最後にようやく響いたのが治療に向けて前向きになる赤嶺で終わっていました。

しかし、「またどこかで飲んでしまうんだろうな」と思わざるをえないのがアルコール依存ケースを経験した者の常です。

 

アルコール依存症は立派な病気です。アルコール依存治療を専門とする病院については少なくはありません。自分の意思ですぐにやめれるものではないため、治療をしたい場合は専門の病院で受診を受けましょうね。

 

 

 

次回は漫画になかった話なので展開が予測できませんが、予告から怒髪天状態でした。

どんな話になるのか楽しみです。

 

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