ややフェイクいれてますがほぼ実話。
それは支給日の翌日の話でした。
出勤し、朝礼が終わり業務が始まろうとするときに一本の電話がかかってきました。
内容は「生活保護費が振り込まれていない。」との内容。
電話の主は80歳だがとても元気なおばあちゃん。
電話口では怒っているというよりも入ってないことに混乱しているような話しぶりでした。
口座振込だったので確認後折り返しますと回答し、一旦電話を切る。
そのまま会計課に確認のため足を運びました。
あれ?しっかり振り込まれている。
特に口座名義相違であるとか、そんなエラーもなくしっかりと。
許可を取って支給したという証拠のページをコピーして自席に戻る。
ともかくもう一度電話をしてみるかと私(DRB)は電話をかけた。
DRB「もしもし。今確認したんですけどA銀行にしっかり入ってますよ。」
お婆ちゃん「それがね、はいってないのよ。どうすればいいの。」
DRB「通帳の口座どうなってますか?」
お婆ちゃん「お金がね振り込まれてないの。」
DRB「(振り込まれてないのはわかったよ!)最後の行とかどうなってます?」
お婆ちゃん「わからないけどね、お金は入ってないのよ。」
以下10分ほど同じことを繰り返す。
これでは拉致が明かないと思ったので上司に直接いってきていいですかと聞くと、上司も電話をしっかり聞いていたようで「行っていいよ」と一言。
そんなわけで朝たまっていた仕事もあるのにイレギュラーな訪問へ。
~~到着~~
DRB「お婆ちゃん。突然ごめんね。早速だけど通帳見せてもらっていい?」
お婆ちゃん「あら、そんな悪いわね。これなんだけどどうなってるの。」
渡された通帳に目を通す。
ん??? 履歴も何も1か月前に全額おろした履歴から先が記帳されていないではないか。
DRB「昨日支給日だからおろしにいったんだよね?」
お婆ちゃん「行ったんだけどねえ。うまくいかないから帰ってきたのよ。」
DRB「(ん…。なんかおかしくなってきたぞ。)と、とりあえず一度銀行行きましょうか。」
~~~車で銀行に移動~~~
窓口にて
DRB「すいません。この通帳を見てほしいんですが。」
銀行員さん「はい。わかりました。あ、これ磁気不良起こしてATMで読み込めなくなってますね。今新しい通帳に取り替えますね。」
お婆ちゃん「 や っ ぱ り そ う で し ょ う 。 あ~、助かったわ。」
はい。やられましたね。
なんのこっちゃない。
お婆ちゃん最初から通帳のエラーってわかってたんですね。ATMで確認して。
でも、銀行までは遠いからうまい事理由をつけて私を呼び出し連れて行かせたわけですね。
もちろん保護費はしっかり振り込まれていました。
今となっては笑い話ですが、当時まだ若かったのでタクシー代わりに使うな!と結構怒った覚えがあります。
お婆ちゃんは「年取ると忘れっぽくてね~」と終始すっとぼけていましたけども。
もうそんなお婆ちゃんも亡くなってしまいました。古き良き?思い出ですね。
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