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まるでドラマのような先輩ケースワーカーの鋭い目線

よもやま話

私がケースワーカーになりたての頃の話。

 

私の教育係としてSさんという先輩ケースワーカーがついてくださりました。

 

見た目はとてもおっとりしていて優しそうな感じがあり、性格も実際にその通りでした。

と思えば、民間企業経験があるためか他のケースワーカーの方よりも鋭い目線を持ち

生活保護手帳の読み解きや解釈について柔軟かつ大胆に行う方で、今でも尊敬する上司の一人です。

 

さて、こんなSさんですが同行した家庭訪問でちょっとしたドラマのようなシーンに遭遇しました。

 

Sさんは見逃さなかった 世帯員増の証拠

 

とあるケースの家庭訪問に行った際の話です。

 

Sさんの担当ケースだったのですが、私がまだケースワーカーなりたてほやほやだったため

研修の一環として同行させてもらいました。

 

訪問ケースは40代後半の独身男性、一人暮らしで病気のため療養中の方でした。

 

玄関をノックし、すぐにドアが開きました。

Sさんと一緒に部屋に上がらせてもらい、最近の様子について聞き取りをします。

まだ就労については医師より許可がおりていないこと。

治療に専念をしていること。

体調の良い日はなるべく体を動かすようにしていること。

基本的な生活状況や体調について聞き取りをして、訪問は何事もなく終了・・・

 

かと思ったのですが、帰りの車の中でSさんが

 

「かなり高い確率でだれか一緒に住んでいる。」

 

と一言。

 

私がどうしてそう思ったのか、なにか変なところあったんですか?とSさんに聞くと

 

「洗面台の前のハブラシが2本あった。どっちも新しい。あと部屋に入る時に洗濯物を

 別の部屋に移した。男性一人暮らしでそういった行動を取るのは引っかかる。」

と回答が。

 

私がのほほんと同行して話を聞いていただけですが

Sさんは飄々とした顔で色んなところを観察しておりとても驚かされました。

 

 

調査の結果、その方は母親がいつのまにやら同居しており

日中は母が就労に出かけ、夜に帰ってくるという生活状況に変化しておりました。

未申告の収入があったものの、同居日から遡及で生活保護申請を行い

結果として、母と本人の二人世帯での生活保護が決定となりました。

 

 

こういったドラマのような場面に遭遇するのも

ケースワーカーという仕事の特殊性の一つかなと思います。

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