「健康で文化的な最低限度の生活」の4話目が今日放送となりました。
今回については母子家庭(シングルマザー)世帯のお話でした。
私も現役時代に10程度の母子世帯を担当しましたが、病気を抱えておられるお母さんのケースや、子どもに障害のあるケースもあり、なかなか安定した収入についてのハードルが高い場合が多かったですね。
母子家庭の場合に適用される加算について
●母子加算(ひとり親世帯に適用、当然父子の場合でも適用されます)
基本的には児童扶養手当の支給と母子加算については連動しており
児童扶養手当の支給○=母子加算の支給○
児童扶養手当の支給×=母子加算の支給×
となります。
ただし、児童扶養手当と母子加算については別制度なので、児童扶養手当の支給がなくとも、母子加算の支給がなされる場合があります。
具体的な支給金額については下記のとおりです。
1級地の場合 児童1人…22,790円
2人の場合ですと上記金額に1,800円が加算されます。
3人以上1人増えるごとに920円が加算されます。
2級地の場合 児童1人…21,200円
2人の場合ですと上記金額に1,790円が加算されます。
3人以上1人増えるごとに850円が加算されます。
3級地の場合 児童1人…19,620円
2人の場合ですと上記金額に1,580円が加算されます。
3人以上1人増えるごとに780円が加算されます。
支給対象の要件ですが
1.児童が18歳に達する日以後の最初の3月31日まで
2.障碍者加算の対象になる児童の場合は20歳になるまで
3.1,2、に関わらず児童の親が再婚(事実婚も含みます)するまで
これら、1~3のどれかに該当するまで母子加算は支給されます。
●児童養育加算
3歳未満(3歳の誕生日の属する月まで) 15,000円
3歳~小学校卒業までの第1子、第2子 10,000円
3歳~小学校卒業までの第3子以降 15,000円
中学校卒業まで 10,000円
支給要件は世帯に児童がいる場合です。
基本的には児童手当の支給と児童養育加算については連動しており
児童手当の支給○=児童養育加算の支給○
児童手当の支給×=児童養育加算の支給×
となります。
ただし、児童手当と児童養育加算については別制度なので、児童扶養手当の支給がなくとも、児童養育加算の支給がなされる場合があります。
ちなみに支給期間は「対象児童が中学校を修了するまで」となっております。
母子家庭世帯が保護を脱却するには半端な収入では脱却できない
上記の加算を計算に入れて母子家庭世帯の生活保護支給額を計算してみましょう。
世帯構成:母(27歳)、長男(4歳)、長女(2歳)
居住地:東京都23区(1-1級地)
生活扶助基準額:138,550円
母子加算:24,560円
児童養育加算:25,000円
住宅扶助:69,800円
合計:257,940円
上記の世帯構成の場合、このように257,940円の収入がないと生活保護から脱却することは難しいです。
児童扶養手当、児童手当については別に収入として入ってくるため、実際に稼ぐ必要のある金額については22万~23万程度かと考えられますが、それでも小さな子どもを抱えて1か月でこれだけの収入を稼ぐにはなかなか厳しいところがあります。
離婚した夫(もしくは妻)からの養育費等の支払いがあれば、フルタイムの就労でなくとも保護からの脱却は可能かと考えられますが、生活保護の母子家庭世帯ですと、悲しいことに養育費については支払われていない、もしくは途中で滞ってしまっているケースが殆どです。
母子家庭世帯については、子どもが小さいうちは発熱などで保育園に行けずに、仕事を休まなければいけないという事もよくあるため、どうしても就労形態がアルバイト、パートにならざるをえません。
しかし、アルバイト、パートのみでは到底20万を超えるような収入を得るのは難しく、就労をするものの、結果として保護から脱却できないというケースが多いのが現状です。
記事とはあまり関係ないのですが、どうしても「児童手当」を「自動手当」と変換ミスをしてしまいます。
現役時代もパソコンの変換はなぜか「自動手当」を優先的に頭出ししてくるのでよく間違えるのを思い出しました。
間違えたところで他に見せるのは査察指導員くらいですが、やっぱり見つかると恥ずかしいので文書作成はきちんとしましょう。
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