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仁義なき移管戦争~生活保護者の転居について~

移管

 

生活保護者が引っ越しをするというのは割と珍しい話ではありません。

理由としては

・仕事が遠方に決まったため、より経済的に通勤するための引っ越し

・近隣縁者の近くに住むための引っ越し

・長期入院により本来住んでいたアパート等を引き払った後に、退院が決まるも近隣に安価なアパートがなく、退院後に新たに住む場合

・救護施設等に入所していた者が居宅生活が可能と認められ、退所後に新たに住む場合

・火災等で現住居が消滅してしまった場合

・老朽又は破損にたえない状態になった場合

・病気療養上著しく環境条件が悪い場合

・離婚により新たに住居を必要とする場合

 

このように一口に「引っ越し(転居)」と言っても様々な理由があります。

また、上記に上げた引っ越しの場合は、適当と認められる場合、転居費用についても支給されます(いわゆる住宅扶助費)。

ただ単に「駅前の方が住みやすいから引っ越したい。」という個人的な希望、理由だけでは支給は認められません

ただし、貯蓄した生活保護費を使って自身で引っ越しをする分には自由です。

市外、区外に引っ越すと福祉事務所が喧嘩することも

Q.A市で生活保護を受けていた者が仕事がB市で決まった。通勤時間等を考慮した結果、B市に転居したほうがより経済的になることからB市への転居が決まった。この場合、対象者の生活保護について担当するのはそのままA市なのか、それとも転居後のB市なのか。

A.正解は   転居後のB市    です。

 

 

生活保護者が別の自治体へ引っ越した場合、生活保護者の担当についてはそのまま別自治体へ引き継がれます。

 

転居の理由についてしっかりと生活保護手帳を根拠としており、ケース検討会議にて適切に検討された上で、転居を認めている場合についてはもちろんなんのトラブルも起きず、すんなりと移管されると思います。

 

しかし、もしこれがとんでもない理由での転居になると話は別です・・・

 

 

私のいた福祉事務所(B市とします)であった実例です。

○就職が決まり、転居をしたほうが経済的と判断された例・・・だけども

 ・該当の会社まで、保護者のすぐ近くからほぼ直行のバスが出ている。

 ・B市のほうが家賃基準が高く、転居後の家賃は案の定、元家賃より高い。

 ・そもそも保護者が転居についてよくわかっていない。

 ・該当の会社はかなりの肉体労働で離職率が高く、私の担当保護者も昔就労したがすぐに辞めてしまった。

 

上記の懸念事項があったため、やんわりと

 

「もう一度ケース検討をして、必要性をしっかりと確認してください。」

 

とお願いをしたのですが、それでも結局は転居について認められてB市が担当に…。

 

 

そして、案の定就労3日目で腰を痛めて離職されました。もう笑うしかありません。

この場合でも、既に居住をしているので引き続きB市が担当をしなければいけません

 

 

当然、引き継ぎがされたばかりのため、保護者がどんな仕事に適正があるか、どういった性格か、これまでにどんな仕事をしたかについて就労担当も熟知できていません。

そのため、就労支援活動についても他の保護者より鈍化してしまいます。

 

 

また、ケースワーカーでの交流会で実際に聞いた話ですが福祉事務所によっては

「大都市の方が保護者数が多く、福祉事務所のレベルも高いため、何か理由をつけて大都市へ行かせてやろう。」

と画策しているところもあるらしく、露骨に押し付けられるようなこともあるとか。

 

 

移管については保護脱却を目指す上で必要な時も当然あります。

そのため、もちつもたれつを基本として良い引き継ぎをしなければなりません

 

担当保護者が移管となりそうな場合については、それがわかった時点で早急に該当福祉事務所に連絡を行い、適切な移管をしましょう。

 

 

移管についてはまだまだムカツ・・・、面白い移管話があったりしますので箸休めに書いていきたいですね。

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