資産の保有については条件があることについては以前の記事で書いた通りです。
特に、持ち家については「新たに住居を借りるよりは経済的であると認められること。」が基本です。
住宅自体の価値が高かったり、まだローンを返済中の場合は売却し、売ったお金を生活に充てなければなりません。
都心の方では持ち家で生活保護を受ける方はあまり多くないと思いますが、地方に目を向けると昔ながらの住宅に住み続けている保護者の方は割と多くいたりします。
当然、持ち家でローンがない状態であれば家賃がかからないため、住宅扶助が出ません。
しかし、実際は老朽化によってあちこちガタがきたりしますね。
そういった場合、修繕費などは出るのでしょうか。
現に居住する家屋の補修について
生活保護手帳の局第7-4(2)住宅維持費 にて家屋補修について示されています。
要約しますと
「年額120,000円までを上限として、現に居住する住居の畳、建具、水道設備、配電設備等の従属物の修理、家屋の補修、その他維持のために必要な場合に認定する。補修の規模は、社会通念上最低限度の生活にふさわしい程度とする。」
畳の腐食や、水道の破裂、漏電、雨漏りについて120,000円以内の範囲で真に必要と認められた場合は支給がなされます。
実際の支給例としては
・大雨による雨漏り
・水道管凍結による、水道破裂、水漏れ
・豪雪地帯の雪下ろし
などが特に頻繁にあるかと思われます。
120,000円を超える場合は、1.5を乗じた180,000円まで特別基準の認定をした上で支給されることがありますが、修繕しなければ居住に耐えがたい状況であるなど、真にやむを得ない事情がある場合に限られます。
特に雨漏りなどの天井修繕についてはひどい場合は何十万の見積もりが上がる時もあり、そういった場合はビニールシートで安く費用を抑えるなどの工夫も必要になってきます。
ちなみに120,000円の上限ですが、最初に修繕費を適用した日から起算されます。
そのため、3月31日に120,000上限の修繕が認められた場合、再度の修繕については翌年の3月31日にならないとリセットがされません。気を付けましょう。
災害に伴う家屋の補修について
家屋の老朽について、なにかしら前兆がある時もあれば、なんの予兆もなくいきなり悪くなる時もありますよね。
事前にすべて直すべき個所がわかっているならば、計画的に修繕することができますが、災害などで修繕が急に必要となる場合はそうもいってられません。
ですが、実は災害によって家屋の補修等が必要な場合は、すでに認定した住宅維持費にかかわりなく被災の時点から新たに住宅維持費を認定してもらうことができます。
(生活保護手帳 局第7-4-(2)ウ参照)
ちなみに災害の定義ですが
台風、暴風、豪雨、豪雪、高潮、地震、津波、火災
が該当します。
(別冊問答集 問7-119 参照)
気を付けてほしいことですが、家の修繕を希望する場合、必ずケースワーカーに先に連絡しましょう。
自分で業者を手配し、修繕をした後に、お金の請求を福祉事務所に回すことは原則認められません。
修繕を急ぐあまり、ついつい自分でしてしまいがちです。気を付けましょう。
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