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【第5話】健康で文化的な最低限度の生活 感想や気になった部分など

健康で文化的な最低限度の生活 感想

お盆のため少し更新が滞ってしまい、ようやく録画した5話目を見ることができました。

 

今回の話は「扶養調査」に焦点が当てられています。

 

扶養調査については以前の記事に少し書いたものがあるのでよければご覧ください。

扶養義務調査はどこまでの範囲で行われるのか?

扶養義務調査で嘘の回答があった場合どうなる?

生活保護で実際にあった事件。良かれと思っても勝手に判断しない。

 

扶養義務調査については前後編の内容になっていました。

 

漫画でもあった話ですが、個人的にこの話が一番衝撃的であるとともに

 

「うちはまだこういうケースはないが、今後実際にあったとしてもおかしくない。」

 

と思わされました。

 

来週に父との接触を徹底的に拒否した理由が解明されますが、続きが気になる人はコミックスの3巻、4巻の購入をおすすめします。

 

扶養義務調査について

○お土産に納豆を持ってくるえみる

→旅行に行った時にはお土産はつきものなので、だれかが遠方にいくたびに給湯室にお土産が置かれていたのを思い出します。遠方の施設に入っている保護者に訪問に行く際などは帰りにお土産を買って帰ったりもしてましたね。

 

○島岡「生活に困っていて、生活保護を受けたいんですけど。」

→意外に思いますが、実は窓口で明確に「生活保護を受けたい」と言ってくる人はあんまりいません。逆にこの言葉がいの一番に出てくると、言い方は悪いですがケースワーカーも「警戒」をしてしまいがちです。ですが、初めから生活保護を受けたいという意思表示は重要です。平成も終わる頃ですが、まだ水際作戦をしている福祉事務所もなきにしはあらずですので・・・。

 

○川岸「所持金は?住んでいる場所は?仕事は?」

→生活保護の相談について聞く際に、現在の所持金については大変重要な問題です。多くあるぶんには全く問題はありませんが、ドラマのように50円で住むところもない状態ですと、「とりあえず今日泊まれる場所を確保しないと!!」とあっちこっち電話して施設を確保しなければいけませんからね。

 

○京極「なんでこんなの受理しちゃうかなあ。」

→ドラマとはいえ、仕事中に係長(おそらくは査察指導員)の言うべき言葉ではないですね。申請があればそれを受理して淡々と決定に向けて調査し、検討しなければいけません。飲み会の時にぼやく程度にしておきましょう。発言の程度にもよりますが、こういった発言が福祉事務所でまかり通るようになると、その福祉事務所自体のレベルが目に見えて下がってきます。気を付けましょう。

 

○島岡「扶養調査はしないでほしい。」

→本人から希望がある場合は、その理由を聞いたうえで、扶養調査が不適と判断される場合もありますが、理由についてわからない場合は扶養調査をするべきか、しないべきか判断が難しいです。

 

○島岡について任されるえみる

→ケースワークだけでなく、保護の決定事務についても兼任のようです。福祉事務所の規模にもよりますが、東京都23区など規模の大きいところではケースワーク、保護の決定事務、相談事務などは完全に分かれているようです。というか、一人で110ケースもかかえて、決定事務と相談事務なんてできるはずがありません。

 

○扶養調査の電話をするも「親子の縁はとっくにきってるんだよ!」、「お金を渡してもパチンコで使ってしまうんや!」と返される

→ドラマでも言ってましたが「援助します!」なんて返事が返ってくるのは本当に1%~2%くらいしかありません。その場合でも月に1万円程度ならばなんとか…。という場合が多く、「完全に面倒を見ます」なんてケースは本当に極々稀です。大概はこの電話みたいになぜかケースワーカーが怒られてガチャギリされます。

 

○桃浜「息子さんは会いたがってると思いますよ。」

→ケースワーカーの主観が強すぎます。こういった場合は「生活保護法にのっとって、息子さんに調査をさせてもらいます。」だけでいいんです。

 

○半田「本人が一番しんどい事を共有する」

→ケースワーカーの重要な仕事ですね。傾聴し、理解し、共有することで信頼関係を築き、生活の支援をしていかなければなりません。

 

○半田「一旦扶養調査は保留にして、ケース記録には親子の関係を解明して、扶養照会の可能性を検討する。」

→思わず「書いたなあ~、この言い回し。うまいな~。」と声が出てしまいました。扶養調査をしない場合は、しないと判断した理由をケース記録に書かなければいけません。この言い回しだと監査でも「扶養義務調査はしないわけではなく、今後するということですね。」となり、クリアできるはずです。

 

○京極「親に収入があるので、調査をしないというのは監査では通らない。」

→お父さんは医者であったため、収入が当然多いと判断されるわけです。半田は「本当にするんですね。」と対立していました。難しいパターンですが、私がもしあの場にいれば、保護の決定について急ぐあまり京極と同じ判断をしていたでしょう。

 

○戸籍謄本を他役所に取りに行く桃浜

→うーん、東京都23区ならあるんでしょうか。私は、直接戸籍謄本を取りに行く事はなく、すべて郵送で依頼してました。葬祭扶助の関係で親族がいないか早急に探す必要があったケースで、隣県に公用車をぶっ飛ばして取りに行ったケースワーカーはいました笑。結局、そのケースワーカーは日またいで帰ってきてましたね。

 

○半田「まだ私たちは、あの親子のことを何もわかっていませんよね。」

→半田の発言が今回の話の結末の分岐点ですね。ここで、一度係内であらゆる可能性について検討をすれば結末は違ったかもしれません。扶養義務調査をすることでわかってくることもありますが、扶養義務調査自体がパンドラの箱のケースもあるということは覚えておきましょう。やや次回ネタバレしてますねすいません。

 

○扶養義務調査書に「援助できません」と書きなぐった回答

→くしゃくしゃになった跡もありますね。桃浜はショックを受けていたようですが、まだ返事が返ってくるだけマシです。返事がないことも多々あります。ひどい場合は「こんなもん送ってきやがって!!ぶっ○してやろうか!」なんて言われることもあります。回答の中で、過去に申請者がしてきたことがわかったりもするわけですね。

 

○石橋「はい、生活保護課」

→「はい、東区役所、生活保護課石橋です。」と出なければいけませんね。今どき名前を名乗らずに電話に出る職員なんて「はい、私は無能です。」と豪語してるようなものです。

 

 

 

原作のコミックスについては全巻所持していますが、今回の話が一番読み応えがある話です。

ドラマの次回予告でも島岡父の足にしがみつくえみるがカットインされていました。

どういった結末が待っているのか、ぜひ見ていただければと思います。

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